浄化槽法とは、浄化槽によって、トイレの排水とともに台所や風呂などの生活雑排水をきちんと浄化処理することにより、水環境や生活環境の保全、公衆衛生の向上に結びつける事を目的に作られた法律です。
浄化槽の設置や維持管理、製造について定めており、浄化槽に係る業務の許可や登録の制度、国家資格(浄化槽設備士、浄化槽管理士)についても定めています。
また、浄化槽管理者(浄化槽の所有者等)の義務についても定めています。
浄化槽の保守点検では、浄化槽のいろいろな装置の稼働状況や状態を調べ、その調整、修理、消毒薬の補充などを行います。
また、汚泥の状況を調べ、通常定められている清掃回数(年1回又は2回)以上の清掃の必要性について判断します。
浄化槽管理者(浄化槽の所有者等)は、浄化槽の適正な維持管理のために、保守点検を行わなければならないこととなっています。
保守点検を行わないと、浄化槽の働きのバランスが崩れ機能が発揮できなくなったり、消毒薬が無くなり、大腸菌や病原性微生物が生きたまま外に出ていってしまったりする恐れがあります。
また、放流水の水質が悪化したり、悪臭が発生してしまうことになり、生活環境を悪くする原因になってしまいます。
浄化槽法では、浄化槽の維持管理のため、浄化槽管理者の義務として、保守点検、清掃、法定検査の3つを定めています。この3つはそれぞれ別のものです。
法定検査は、保守点検や清掃が適正に行われているかも含めて、浄化槽が正常に働いているかどうかを、第三者である指定検査機関(知事指定)が公正中立に行う検査で、検査結果は行政機関にも報告されます。
清掃とは、浄化槽に溜まった余分な汚泥をバキュームカー等で吸出し、付属装置や機械類を洗浄したりする作業です。清掃を怠ると浄化槽の機能の低下や汚物の流出、悪臭の原因となります。
一方、保守点検とは、浄化槽の機能を正常に保つための作業です。その作業とは、機器類の点検、調整、またはこれらに伴う修理や消毒薬の補充です。
このように、保守点検と清掃と法定検査とは、それぞれ別の目的から行われるもので、内容が異なります。
したがって、清掃も法定検査も行っていても、保守点検はしなければいけません。
保守点検とは、浄化槽の「各装置や機器類が正常に働いているか」、「運転状況はどうか」、「汚泥のたまり具合はどうか」、「配管やろ材が目詰まりしていないか」などを調べて、異常や故障などを早期に発見し、修理し、消毒薬の補充等を行い浄化槽の正常な機能を維持する作業のことです。
これらの点検は、国家資格(浄化槽管理士)を有する保守点検業者に委託することができます。
法定検査は、浄化槽管理者(浄化槽の所有者等)が保守点検や清掃を適正に行っているか、浄化槽の機能が正常に維持されているかを、第三者である知事が指定した検査機関が公正中立に検査するもので、浄化槽の総合的な状態を判断するために行う検査です。
保守点検は浄化槽の機能を維持するための作業であるのに対し、法定検査は浄化槽の状態を総合的に判断するための検査です。
保守点検を行わない場合、浄化槽機能は低下する為排水の水質は低下します。
浄化槽が詰まって汚水が逆流したり、浄化槽内の汚泥やスカムが膨張する影響で浄化槽本体が破損する恐れや、流化水素等の死に至る可能性ののある有害ガスが発生したり、浄化槽内異常発泡でマンホールから汚い泡が吹き出す)のリスクがあります。
更に水質汚濁防止法では法排水基準に適合しない排出水の排出を禁止し、故意・過失を問わず違反者に対して刑罰を科せられます。(6か月以下の懲役又は 50 万円以下の罰金(法第 31 条第1項)。
香川県は瀬戸内海環境保全特別措置法の適応地域でもある為全国的に見て厳しい排水基準が設けられています。(一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金)
その他河川や農作物、近隣地価の下落等につながった場合は民事訴訟での賠償請求が発生する可能性があります。